No.16 束松みち子さん

Story No.16 People’s Fruits 束松みち子さん

「かわいいものが、大好きなんです」

people's fruits 3Profile
西川町水沢生まれ。3人姉妹の末っ子として育つ。高校卒業後、就職。2年ほど働いた後、転職すると共に山形市内で一人暮らしを始める。その3年後、結婚。そのまた3年後実家に戻り、今に至る。東京で暮らす姉と共に、みつばちトート(トートバッグの販売)、People’s Fruits(ジュースの販売) を手がけている。(共にオンライン) *写真はHPより抜粋* 娘2人の母でもある。


トートバッグとジュースのニ本柱で
 今、職人さん手作りのトートバッグと無添加の果汁100%ジュースをインターネットで販売しています。トートバッグの販売は2001年に姉が会社を起ち上げて始めたもの。ジュースの販売は昨年(2011年)に始めたばかり。
 ジュースに関しては、業者さん向けの卸売をメインでやっていますね。他に、カフェや雑貨屋などのお店の方も注文してくださったりしています。ホームページの作成・管理とか営業などは姉の担当。農家さんとの交渉、生産工場への材料の持ち運び、商品の注文受付・発送などの仕事は私の担当。姉は東京で、私はここで出来ることを2人で協力してやっています。これは、みつばちトートにしても同じですね。
 ジュースの販売を始めたきっかけは色々あったんですけど、「生きていく上で欠かすことのできない食」というのは一つのキーワード。それで何があるかなって考えてみると・・・子どもの頃、さくらんぼやりんご、桃などを親戚の農家さんから年中もらっていた私たちにとって、食卓に果物が並んでいるということはごく当たり前の日常だったんです。その時に飲んだりんごジュースの味なんかは、未だ記憶の片隅に残っているくらいですから。
 それを再現しよう、ということでジュースを商品化したんですよね。

 商品へのこだわり ~味~
 私たちが売っているのは、無添加・アンフィルタードの果汁100%ジュース。アンフィルタードっていうのは、絞ってそのままってこと。だから、澱(おり)が多いんですね。
 ジュースの味には、こだわっています。一般的には100%ジュースには甘いものが多いと思うんです。だけど、甘味の中に酸味があった方が美味しいと思うから、りんごの方は秋陽という甘味と酸味のバランスが良い品種を使ったんです。ブドウの方も同じ。食用のぶどうとワイン用のぶどうを混ぜ合わせて、甘味の中に酸味もある味に仕上げています。甘味を引き立てる酸味は、どうしても入れたかったんですよ。

商品へのこだわり ~デザイン~
 見た目、ビンのデザインもこだわりですね。当初、ジュースを入れるビンを売り物で探していたんです。だけど、あんまりかわいいものがなかったから、自分たちでかわいくしようということになった。それで、知り合いのデザイナーさんに頼んでジュースに合うようなデザインを作ってもらったんですよ。何度か作り直してもらって、最終的にとても満足のいくものを作ってもらいました。
 そのデザインをビンに直接プリントしているのもこだわりの一つ。デザインしたシールを貼るというパターンも考えたんですけどね。飲み終わった後も、花を挿したりとか色んな用途で使ってもらいたかったから直接プリントするという選択をしました。
 あと、一般的にはビンに直接賞味期限が記されてあることが多いと思います。だけど、ビンに余計なものを加えたくなかったから、別にタグをつけてそこに記入したんです。
 おかげで高くついてしまったんですけどね。(笑)

高い値段の理由
 リンゴジュースは350円、ぶどうジュースは483円。実際、高いとは思います。だけど、「農家さんから果物を買う、ビンに直接デザインをプリントする、ビンに余計なものを加えないように別にタグをつける。」そういう手順を踏んでいるからこそ、この値段になってしまうんですよね。農家さんから買っている果物は傷がついたりしていて売り物にはならないものだけれど、美味しさは変わらないわけですし。妥協して値段を安くするつもりはないですね。売れなかったらそれまでだな、と思っています。
「他にはない美味しいものを作りたい」
そんな思いから、このジュースはできた気がします。だから今、「他では置いていないものを出したい」「ビンのデザインが店の雰囲気に合う」「こっちのリンゴジュースの方がいい」という理由で注文を頂いたりするのはうれしいですね。

幸せな今
  今は、楽しいし幸せです。やりたいことを仕事にできているから。まだ始めたばかりだから、この先どうなるかは未知数ですけどね。
 父も、やりたいことを仕事にしている人です。かつて役場職員だった父は、職員時代、そして退職してからも直売所を開いたりという風に新しいことに挑戦するのが好きな人で。前までは、そんな父親を見ていて「もう、また何かやって~」というような感情を抱いていました。

  だけど、仕事は事務職しか経験したことがなかった私も、こういう仕事を始めて「やりたいことをやる喜び」を知ってからは見方が変わりました。歳をとっても好きなことができるって幸せだな、って思うようになったんですよね。

いつまでも、かわいいものを
   姉は、昔からけっこう一人で何でもやってきた人なんです。会社を起ち上げたりとか。だから、私は姉のことをすごく尊敬しているんです、すごいなぁって。そんな姉の姿を見てきたからこそ、今一緒に仕事をできるのがとっても幸せ。
   姉も私もおばさんなんですけどね。(笑)おばさんだけどかわいいものを提供していきたいし、かわいくて売れるものを作っていかないといけない。そして、いくつになってもかわいいものを追い求めたい。そういう気持ちは忘れずにやっていきたいですね。
  これから、何かジュース以外の物も生み出したいな、なんて色々と想像を膨らましている今日この頃です。



[編集後記]

おこがましくも、「かわいいものが大好き」というみち子さんもかわいかった。

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